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難問 -兄妹の領域境界-
第11章 夢の中で解かせる旅人算
とうとうこの時が来てしまった。
未由、お前はいま何を考えている?何を思っている?

今日の未由は、いつもと違った。旅行で浮足立っていると思っていたが違う。
車の中で繋いだ手も、俺から絡めたそれに抵抗なく応じ握り返し求めるしぐささえ。

この旅行で夜二人きりになることをわかっているのにもかかわらず。

俺の言葉一つ一つ、意識していた。
ほんのり恥ずかしそうに赤らめる顔が、どれだけ俺に都合がいい解釈をさせたか。

部屋のカギをかけた瞬間、肩を揺らしたのを俺は見逃さなかった。

毎日俺の中にあふれ続ける感情の器はいっぱいになっていない。
しかし、あふれ出す前にその正体と向き合うことをいま目の前に突き付けられている。

景色を眺める未由を見つめつつ、全身に想いを巡らせる。
ここまで俺を、俺の体を翻弄する存在は未由たった一人だった。

未由以外に、未由が理由であるもの以外に一切感情を動かされたことはない。

この俺の気持ちは一体何なのだろう。

小さいころから未由が何より、いや唯一大切なものだった。
もちろん今でもそれは変わらず、むしろより一層。
大好きで、子供のころヒーローかのようにあこがれていた父に「女の子は優しく扱うんだよ」と言い聞かされ俺の意識に刷り込まれた。
さらに、「好きで大切な女の子は特に大切に扱うんだよ」と言われたときは、その存在は未由しか思い浮かばなかった。
それを言った時の父の苦笑の理由は今ではわかる。

遊びに行くときも、ついてくる未由を友達から守る・・・いや周りの男を威嚇してすべてから守っていた、つもりになっていた。
親以外信用できず、常に周りをにらみつけて未由に近づけないようにした。
そんな状況だったためか、ほかの女は眼中になくまともに接した記憶はない。

その時は、本当に未由が純粋に大好きだった。俺がすべてから守ってやると思った。
大人になればわかるよ、と父親に言われたが今もその対象は未由以外いない。

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