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難問 -兄妹の領域境界-
第12章 卒業テスト
「佑人、彼女を作る気はないか?」

「無い」

「即答かよ・・・」

別に拒否しているわけではない。
高校に入り何度か告白も受けている。
ただ、そこに微塵の感情すら発生しないのだ。

「確かにAV鑑賞会の時も全然だったもんな・・・」

「あんときは、雰囲気が母親に似すぎてたんだよ。駄目じゃないのも・・・なくはない」

「ぁー・・・、若いし美人だもんな」

「どこがだ」

強めの風が俺たちに吹き付ける。
一瞬の沈黙が、なぜかひどく長く感じる。

「佑人、兄妹の結婚は法律で禁止されている」

「当たり前だ」

当たり前だが、改めて言葉にされると胸が苦しくなるのはなぜか。

「だが、日本には近親相姦を咎める法律は・・・ない」

その言葉に、めまいを起こすほどの衝撃をうける

「はっ、何を・・・」

何を言っているんだ。
言い返したいのに頭が回らない。

「あくまで参考情報の一つとして聞き流してくれ」

「意味わかんねぇ・・・」

わかりたくない。

「もっとも、18歳未満の子は無理やりおそっちゃだめだよ」

茶化したような口調で付け足す。

「お前が言うな」

「いやいや、俺は年上かお願いされてするから問題ないよ」

そういう問題じゃないだろ。
突っ込みを入れたいが、思考がまとまらない。

「さて・・・俺はそろそろ帰るかな。またな」

「あぁ」

和也は梯子を下り、校舎へと入っていった。
同じ大学なので、いつも通りの挨拶。


衝撃の抜けきらない体。

(・・・だったらなんなんだよ)

俺が未由を傷つけることはあり得ない。
ましてや・・・

必死に何かを否定している陰で、数多ある心のドア鍵が1つ空いたことは気づかなかった。


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