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難問 -兄妹の領域境界-
第13章 第2回お父さんの特別講座
---特別講座キス初級編---

「佑人も小学3年生か・・・」

「沢山するのは不思議?」

「うん。父さんや母さんは僕たちにもしてくれるけど、二人はいっぱいしてるよね?」

オープンな家庭故、家族間のキスは当たり前のように行われていた。
もちろん家族としてだが、未由とも。

「うーん、一番の理由は相手に「愛しているよ」って伝えたいからかな」

「僕も、母さんも父さんも未由も大好きだ!」

「父さんも、みんなが大好きだよ」
そういって頭をなでてくれる。

「でもね、その中でも茉莉香は特別なんだ」

「特別・・・」

「佑人や未由も特別なんだ。それはわかってるな?でも茉莉香は父さんにとってたった一人の運命の人なんだ」

「昔言ってた、特別に好きな人にやさしくするっていうのと一緒?」

「うん、そうだよ」

「だから家族として「大好きだよ」っていうキスと、特別に好きな恋人として「大好きだよ」の両方をしているから多いんだよ」

「なんか大変そう・・・」
あんなに毎日いっぱいするのか・・・と純粋に思う。

「大変じゃないよ。しなきゃいけないんじゃなくてしたくて仕方ないからしてるんだ」

「うーん・・・」

「茉莉香も同じ気持ちだから、茉莉香からもしてくれるしね」

ふと、「お兄ちゃんだいすき~!」といってキスをしてくれる未由を思い出す。
なんとなく、なんとなく父さんが言ったことが分かった。

「なるほど」

思わぬタイミングで納得された圭人は、拍子抜けした。

「前も言ったけど、佑人にも大人になったらそういう人に巡り合えるよ」

「うん・・・」

初めて話を聞いてから何年もたったが、未由以上に好きだと思える子がいないため歯切れの悪い返事をする。

「じゃぁ特別に、特別な人にするキスの仕方を教えてあげよう」

「ええっ!?」

驚きつつも、期待に胸を膨らませる。

「まだ早いけど、もう少し大人になって恋人ができたときのためにな」

と、いたずらっ子のような表情でウィンクをする。

コクリと佑人はうなづいた。

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