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難問 -兄妹の領域境界-
第13章 第2回お父さんの特別講座
「家族のキスは、ほっぺや口に軽くちゅってするけど、恋人にするキスはいろんな種類があるんだ」
佑人は真剣なまなざしで頷く。
「間違ったやり方をしちゃうと、大好きな人に嫌われちゃうから気を付けるんだよ」
「初めて大好きな人にキスをするときは、ゆっくり顔を寄せてそっと唇を重ねるんだ」
佑人はもううなずくことすら忘れて聞き入る。
「強すぎたり、すぐ離してはダメなんだ。唇が重なったら目を閉じて大好きな人を感じてからゆっくり離れる」
すごく大人の話を聞いているようで、心臓がどきどきする。
「その時、優しく抱き寄せてあげると相手の子はとても安心するよ」
「あとは、家族にするキスをしてあげるといいよ・・・ってちょっと佑人には早かったかな・・・」
「大丈夫、頑張る」
何にでも一生懸命な佑人の姿、圭人から微笑みがこぼれる。
「もう少し大きくなったら、ほかのキスも教えてあげるよ」
どうやら許容量オーバーのようだ・・・
「そうそう、未由との家族のキスもそろそろ卒業するんだよ」
「えっ!」
「未由も小学生になったからね。家族のキスは夫婦と子供の特権なんだ」
「恋人な人ができた時のために、大切に守っていくんだぞ」
「うん・・・」
もう未由とキスできない・・・?
なぜか、胸がもやもやする。
「それじゃぁ、今日の男同士の秘密の話はおわりだな」
佑人の頭をポンポンとなでて、圭人は部屋を出て行った。