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喰われる人妻 菜穂
第6章 喰われる人妻 菜穂(6)
一行はその後、旅館近くの施設でいちご狩りやバーベキューなどを開催。
その間は天野からセクハラされることもなく、菜穂も智明と共にそれなりにそのイベントを楽しんでいた。
そして日が暮れる頃には旅館に入り、各自温泉で疲れを癒した後は、浴衣姿で大宴会場へ。
しかし、ここからが問題だった。
「ねぇ智明、お酌に回った方がいいかしら?」
「え?ああ、そうだな。そうした方が良いだろうな。2人で回ろうか。」
「うん。」
近藤が電話で言っていた。今回の採用は人事部だけで決まるとは限らない。お偉いさん達への印象が大事だと。
自分達にとってここは貴重なアピールの場であり、うかうかと料理を楽しんでいる場合じゃないんだ。
「おお、あなたが小溝さんでしたか。噂で聞きましたよ、とても優秀な方だって。こちらこそ宜しく。一緒に頑張っていきましょう。分からない事とかがあったら私にいつでも聞いてくださいね。」
普段しっかり真面目に働いてたお陰か、他の社員からの智明の印象はかなり良いようだった。
中には「君なら本採用間違いないと思うよ。君のような優秀な人材をうちが見す見す逃すとは思えないし。」とまで言ってくれる者までいた。
しかし天野部長やその周辺に居たお偉いさん達の反応は全く違っていた。
その人達は天野同様、最初は智明に全く興味がないような態度で、その視線を菜穂の方ばかりに向けてきたのだ。