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喰われる人妻 菜穂
第14章 喰われる人妻 菜穂(14)
「奥さん、もっとこっちに来てください。私に背中を預けて……そうです。」
内心は嫌々ながらも、黙って言われた通りに天野に凭れるようにして身体を預ける。
すると天野は今度は後ろから両手で乳房を掴むようして本格的に菜穂の胸を愛撫し始めた。
「もし痛かったりしたら言ってくださいね。」
「ン……ぁ……」
「大丈夫、ちゃんと私が気持ち良くしてあげますからね。」
乱暴にされるのではないかと思っていた菜穂だったが、その予想に反し身体を触ってくる天野のタッチはソフトなものだった。
しかも随分と慣れた手つきだ。
柔かな乳房を大切に扱うように優しく触り、性感を高めさせようと丹念に揉んでくる。
「奥さん結構敏感なんですね、ちょっと触っただけでもう乳首が固くなってきましたよ。」
嬉しそうに乳首を摘まんで、コリコリと刺激する天野。
「ン……イヤ……」
頭の中では天野を拒絶していても、胸を揉まれていると自然と乳首は立ってきてしまう。
それにまだ胸しか触られていないのに、異常に体温が上がってきてしまっている。
天野からの愛撫に早くも反応し始めてしまっている自身の身体に、菜穂は戸惑いを感じていた。
緊張しているのもあるのだろうが、それだけではない。
確かに天野の言う通り、この2年間、自分の中に溜め込んでいるものは沢山あった。
智明の仕事の事もあったし、子育てのストレスだって相当にあった。
それに性欲も……。
でもそれを天野に、こんな男に解かれるのは、絶対に嫌。
菜穂にとっては、いっその事乱暴にされた方が楽だったのかもしれない。
そうすれば、今夜の事は嫌な思い出として全て捨てられる気がしたからだ。
しかし天野の手は、菜穂に女の悦びを与えようとしてくる。
2年の間全く男性に触られる事なく凝り固まっていた性感帯を、揉みほぐすようにして刺激してくる。
それはある意味菜穂にとっては拷問だった。
――ダメよ……こんな人に感じちゃ――
こんな最低な行為に、悦びなんて感じたくない。
菜穂は下唇をグッと噛んで、心の中に防壁を作り、理性のガードを固めた。
身体は犯されても、奥深くにある女として本当に大切な部分だけは犯されないように。