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第1章 プロローグ

　立川花凜（ﾀﾃｶﾜｶﾘﾝ）は兄の俊次（ﾄｼﾂｸﾞ）に恋をしていた。

　2人は実の兄妹なので、この想いがまずいことくらいは花凜にも分かっている。

　それでも好きになってしまったものはしょうがなかった。




　俊次のことを好きになったきっかけは花凜自身も覚えていない。

　自分でも覚えがないほど前から好きになっていた。

　これからもずっと俊次のことだけを想い続ける自信が花凜にはあった。

　その恋が叶うことはないだろうということは花凜にも分かっていたけれども。