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第9章 再会

私、何やってるんだろう－。
日の落ちかかった公園の片隅で、咲姫は深い溜め息を吐いた。
ベンチに腰かけた状態で、右側に首を捻る。
幼い頃から母親に連れられ、何度も来た事のある二階建ての大きな白い家。
年齢が上がるにつれ、学校や部活が忙しくなり。
或いは、友達付き合いに比重が置かれ。
段々と訪れる回数も、少なくなっていったけれど。
咲姫は辺りをぐるりと一周見回す。
鉄棒や滑り台、ブランコと言った、馴染みの遊具が数個置かれただけの、さほど広くもない公園。
道路を挟んだ真向いが、ユウの家だった。
勉強を教えてくれたりはあったけど、性別も違えば年齢も少々離れ過ぎで－共にここで遊んだ記憶は殆どない。
あるのは、母親同士の延々続くお喋りに辟易した自分が、暇をつぶす為にひとりブランコに乗りに来た事。