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第44章 彼氏

「ユウは相変わらず、私の胸の中に棲み付いているままです。先輩の事、ユウと同じ好きでもない。でも嫌いじゃないし、何かされる度、どんどん気になる存在になってきている。それはもう、揺るぎようのない事実です」
咲姫は昴を見据えた。
「中途半端なまま、はっきりと返事は出来ないままです。そんなつもりは毛頭ないけれど、結局先輩を沢山傷付けてしまう終わりになってしまうかもしれない」
－それでも、こんな私でもいいですか？
なんの確認なのか－確定などしていないのに、昴は逸る思いを抑え切れない。
「先輩の事、もしかしたら好きになるかもしれない」
－そう、思うようになってきたんです。
自分が夢見て、想像してたのと順番は違う。
でもそれも『間違い』ではなく。
初めてのキスから始まる－そんな恋もきっとある。
だから。
「北城先輩の…彼女にして下さい」