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おじさまと咲姫
第32章 意表
「事故から救ってくれた…それも勿論決め手のひとつだったんだろうけど。面倒な事なんて何一つ考えないで、気付けばただ純粋に好きになってたんだろ」
「…うん」
「いつどこでどんな風に、誰を好きになるか分からない。それはホウジョウ先輩に限らずだけど…でもホウジョウ先輩かもしれない」
俯き加減の咲姫に、悠眞は苦く笑った。
「だめかよ、ホウジョウ先輩じゃ?」
「そんな事…私には勿体ないくらいのひとだよ」
「いつもは優しい先輩にいきなり迫られて引いちゃったか?」
悠眞のからかいに、咲姫は正直な胸の内を明かす。
「…そりゃ、驚きはするよ。突然そんな事されそうになったらさ」
恥ずかしかったが今更なので、続けて吐露する。
「砂浜に続く階段をさ、ちょうど下り終わるところで。その…いきなり抱き締められて。それから、その-」
-ほっぺたに。
その時の状況が甦り、咲姫は火照る両頬を自らの手で包み込む。
だかしかし。
勇気を出して説明したのに、悠眞に怪訝そうな顔をされる。
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