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おじさまと咲姫
第43章 最初
気のせいだろうか。
さっきから自分に都合の良い方へ、彼女は話を振ってくる。
もう一回があるだけでなく-他のどこかへもだなんて。
少しでも長くいたい-そう願っている自分の気持ちを、まるで次々と叶えてくれているかのようだった。
嬉しい、とても。
でも-憐れんでもらっているんだろうか。
『最後』だから、特別?
そう考えると、手放しでは喜べない。
これからがあるとは正直思えない。
なら-?
一転して気分が地まで落ちかけた昴に、咲姫はたった今思いついたかのように告げた。
「あ、でも。この間と同じ所に行くからって、また先輩に奢ってもらおうなんて思ってませんから。安心して下さい」
-今度はちゃんと割り勘で。
破顔する咲姫を、昴は慌てて遮った。
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