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おじさまと咲姫
第44章 彼氏
「…このまま、いようと思って」
ひたすら自分の答えを待ち望む昴の双眸に、咲姫は遂に意を決した。
「今まで通り変わらず、これからもいよう-」
-そう、思って。
面と向かっては言えず、テーブルに置かれたジェラートのカップを意味なく凝視しながら咲姫は告げる。
「今日一日一緒に過ごしてみて、やっぱり先輩の事は嫌いじゃないって確信したんです。そもそもあの日の事も嫌じゃなかったから、今日こうして会う気になったわけで。…だから、つまり」
考えながらゆっくりと言を紡ぐ咲姫の唇から、昴は目が離せない。
「これからも同じでいいんじゃないかって。だから今日も、次も…その次もある」
-そう、思ったんです。
か細い声だったが、昴の耳に確かに届いた。
想像していた最悪の終わりではなく、一縷の望みを賭けていた希望あるそれ。
すぐに何かを言えればいいのだけれど。
生憎乾いた喉、固まったままの口は、上手く解れてくれない。
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