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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第7章 遠藤の葛藤と甘い夜-
「・・・
美紀様は男性恐怖症です…
どうして‥という理由ははっきりとは分かりませんが、普通に接しているように見えて、男性に近付くとか触れられるのは、異常な程嫌います」
「それは・・・」
まさか、吉田春夫の1件が今でも??
いや、理由など、それしか考えられない…
虐げてもまだトラウマになっていたとは、私ですら気付かなかった。
会長でも気付いていない、そう思う・・
「心当たりはありそうですね…」
「ええ…
内容は話せませんが、心当たりはあります…
ですが、既に終わった話なのに……」
「終わっても、心の傷と言うのは簡単には治らない…
美紀様自身は普通だと思っている筈です、これも女の感ですが……」
「新島さんの感は怖いですね…
何でも当ててしまう」
こんな‥抱き締めている格好で、こんな話になるとは思わなかった…
そうじゃない、こんな状況だから新島さんは話したのか?
「美紀様は、遠藤さんに心開いていますが、気を付けて下さい…
もし、今みたいな事になったら、美紀様はパニックになるでしょうから」
「・・・分かり‥ました…
十分に注意します」
「・・ええ・・・」
多少、名残惜しさもあるが、私は新島さんを抱き締めている腕を離す…
彼女の方が何枚も上手で、私なぞ簡単にあしらわれてしまったようだ。
「本当に酔っているようですから、眠った方が良いですよ遠藤さん…
あ、それと本当に、お水1本貰って行きますね」
備え付けの冷蔵庫から、ミネラルウォーターを1本取り出し、新島さんは少し心配そうな顔をしながらも、あっさりと何も無かったように部屋を出て行った。
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