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涙のキス
第3章 ー花火大会の夜にー
チュッ…

「明日、楽しみだね。」

チュッ…

「うん。明日はね、パパ達は、お仕事で遅いから、ちょっと位遅くなってもいいんだ!」
「でも、僕達、9時には帰らないと怒られるよ。」

ンッ…

「じゃ、明日も待ち合わせは、個々でいい?」

ンッ…

「うん。」

で、いつものように塾の鞄を背負って、里麻ちゃんを送ってく。

「ただいまぁ。」
「遅いな。確か、塾8時だろ?お前らは。」
「友達と話してたの!お兄ちゃんだって、いつも話してんじゃん!」
「…。」

「あっ、お帰り。何、二人でうるさくしてんのよ。優樹、あんた宿題…」
「はやっ!!もう、いないし!」

さっきまでいたお兄ちゃんが、消えてた。
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