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ランジェリー騎士団
第1章 フェレリー・バローミュール

(くそっ……面白くねえ! この女……いつかギュウッていわしてやりてえ……)

 前を歩くフェレリーが、行き交う顔見知りの人々から次々と声を掛けられる姿を、後ろで眺めながらワコルは不貞腐れていた。

 全くもって気に入らない。しかし、いじめてやろうにも、フェレリーは隊の中では一番の働き者で、難癖をつける隙がない。しかも、女のくせに、剣術の稽古にも熱心で、仲間の誰もかなわない。もしかしたら隊長である自分をすら上回る腕前かもしれない。

 彼女から何度も腕試しを申し込まれていながら、のらりくらりと避け続けているのは上官として情けない限りだが、万一負けでもしたら醜態だ。

 そんなわけで、ワコルにとって、彼女という部下は眼の上のたんこぶなのであった。

(ああ畜生ッ……! いいケツしてやがんなあ……)

 警ら隊の兵装は元々男向けにデザインされている。それだからこそ、彼女の女らしい身体のラインをいっそう引き立たせ、艶めかしく見せていた。

(こういう女を……いや、コイツを……有無を言わさず犯して、泣きわめかせてやれたらなあ……俺の体の下で喘ぎ悶えながら許しを請う姿を見てみたいもんだが……)

 おそらく、そんな機会はこないだろう。
 警ら隊長はため息をついた。

 意趣返しが叶わぬなら、いっそ……どこかに消えて欲しい。
 自分の隊からいなくなって欲しい。

(それもまた、叶わぬ望みか……)

 と、再び、今度はよりいっそう大きなため息を吐く。
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