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ランジェリー騎士団
第1章 フェレリー・バローミュール
「……」
そんな二人をフェレリーは無言のままじっと見つめる。
どちらかというと、ハロンのほうが若禿げ気味で、ワコルのほうがフサフサだ。下手な言い訳というのは明らかだった。
が、とりあえずここは不問にしておくことにしたらしい。
「……人を羨んで髪が生えるなら誰も苦労はしていませんよ。さ、隊長……長居はご商売の邪魔ですから」
と、ワコルを店の外へと促す。
「女性専門のお店ですからね……男の人がいたら、恐がってみんな寄りつかないでしょう? 今後、ここは私が見回りますから……いいですね?」
巧妙に釘を刺されては隊長も頷くしかなかった。
「それじゃあ、ハロンさん、そういうことですから……次から何かあったら……私に相談して下さいね」
何かあったら、とは当然、「今日のような事」という意味だ。
暗にこうまで言われてはワコルも再びたかりには来れまい。
ダメ押しによる完璧な処置だった。
感謝の顔の下着屋の店主に悪戯っぽいウィンクを送り、フェレリーはワコルを引きずるようにして店を後にした。