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ランジェリー騎士団
第2章 仕立屋の提案
この国の君主、ダージリン三世王は近隣諸国にもその英明をもって知られている。
若かりし頃より芸術を愛好していたため、果たしてまともに国を治めることはできるのかと危ぶむ声もかつてはあったのだが、即位してのちは己の趣味にかまけすぎることもなく、むしろ個人の趣味であったものを国政に反映させ、各国の文物、とりわけ新しい技術や考え方を取り入れることに邁進。結果、この国に文化的、経済的な繁栄をもたらした。
早くに王妃を失ったということも彼の治世に影響を与えているだろう。
己の悲運に嘆くも、だからこそ国民たちには幸せであってほしいという想いの強い賢君であった。
ただひとつだけ欠点を挙げるとするならば、それはひとり娘であるローザンナ姫への溺愛ぶりだろう。