この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ランジェリー騎士団
第2章 仕立屋の提案
亡くなった王妃の血を継ぐこのひとり娘を彼は目に入れても痛くないほどに可愛がり、そして失うことを恐れた。
通常では考えられぬほどの数の護衛をつけて守らせ、かたときたりとも目を離させぬという徹底ぶり。だがそれは、成長し年頃となったローザンナ姫にとってはありがた迷惑なことでもあった。
護衛の男たちに四六時中べったりと付き添われての生活なのだ。成熟した女にとってそれが辟易たるものなのは想像に難くないだろう。
しかし、ダージリン三世がもさすがというか、それを見越して、姫が生まれたその年から、国中に婦女の武術を奨励していた。女性兵士の登用もその頃に始まった。
もちろん、最初はそのようなことに励む女はいなかったが、10年以上の歳月が流れた今、武術の心得があり兵士として経験を積んだ女達が、男と比べて少ないながらもこの国には普通に存在するようになっていた。