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ランジェリー騎士団
第12章 ベルラの処刑
(今日もやはりここに……毎晩毎晩、隊長はなんの用事で……?)
フェレリーの動向に目を光らせて数日、夜になり彼女がフラリと出掛けて行く先が港の旅宿であることをベルラはつきとめていた。
副隊長ゆえ、隊長の非番時は基本的に持ち場を離れられないのだが、見過ごしてはならないという胸騒ぎ……自身の戦士としての勘を信じ、数少ないチャンスを逃さず持ち場を離脱して尾行を繰り返した成果だった。
今夜もまた、まるで操られでもしているかのようにフェレリーはこの宿に入って行った。兵舎からの道中も、まるで無警戒にまっすぐにここに足を運ぶ。
豪華なたたずまいの旅籠を見上げ、ベルラは考え込んだ。
(ここにフィガロ・ウェルヘルムが長逗留していることは調べがついている……おそらく、フェレリーが会っているのも奴だろう)
だが、何の為に?
それがわからない。
この一件には明らかにランジェリーアーマーが絡んでいる。
城下警備隊と騎士団による強引な取締り……これはフィガロ・ウェルヘルムを利するものだ。
しかし、彼らに協力してプリンセスガードの隊長は何を得るというのか。
考えられるとするならば、何か弱みを握られたフェレリーが脅されているということか。