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ランジェリー騎士団
第12章 ベルラの処刑

(踏み込むべきか……?)

 だが、探りを入れていることを感づかれるのも危険であると思えた。
 何か確実な証拠を手に入れるまでは自分が嗅ぎまわっていることを気取られてはいけない。相手は城下警備隊までをも味方として引き入れているようだ。対してベルラは只一人。この身に何かあったなら、それで終わりなのだ。

 慎重であるに越したことはない。
 いきなり敵の本丸に単身斬りこむような真似は自重すべきだ。

 分が悪いときに焦りは禁物だ。息を潜め、敵のほころびを待つ。それが剣闘士の常道。
 この場合、ほころびが出来そうなのは……。

(城下警備隊……ワコルといったか、あの隊長)

 見上げていた、フィガロの部屋と思しき窓から漏れる灯りから目を離し、ベルラは踵を返し、兵舎へと引き上げた。

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