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ランジェリー騎士団
第1章 フェレリー・バローミュール
商都ローラルナの目貫き通りは高級品を取り扱う老舗が軒を連ねる。
人寄せとして店先に、あるいは店舗の奥にひっそりと息を潜めるかのように置かれる珍奇な品々――贅沢なお菓子や、食材、アクセサリーなどはどれもがびっくりするぐらいの高値で、とても庶民が気安く購買できるものではない。
だが、買うばかりが買いものではないし、時には思わぬお買い得品も見つけることができる。というわけで、ここは常に人のにぎわいが途切れることのない名所であった。
とりわけ人気が高いのは服飾店だ。
きらびやかな他所行きの服、来客をもてなすための服、くつろげる服、取り扱う衣服はさまざまながら、それぞれに優雅を競って、このローラルナの人々の着道楽を一手に支えているのが、この通りにずらりと連なる仕立屋や服飾問屋であった。
そしてその中には勿論、下着の専門店もあった。
「よう、繁盛しているか?」
「ワコルの旦那……へへっ、お陰様で……」