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ランジェリー騎士団
第12章 ベルラの処刑
乾燥した赤い土の上に転がされ、立ち上がろうとしたベルラの喉元に、振り降ろされた剣のきっ先がピタリと当てられる。
「くっ……」
悔しそうに見上げるベルラの視線の先の師の顔は逆光で黒い影。
いつでもそうだ。気づけば太陽を背にされてしまう。そして、こうして破れ、見上げるのはいつものこと。師がどのような顔で自分を見ているのか、ベルラは判別できたことがなかった。
「……敵から贈られた武器は使うな」
教えが、口にされる。
試合の前に師から渡された剣は、最初に刃を交えたその瞬間にボキリと折れた。
いついかなるときでも、己のみを信じよということだ。
「……ありがとうございました」
地べたに腰をつけたまま、稽古の礼を言う。
遠ざかって行く師の背中……私は、いつになったら追いつけるのか。
(師匠……ああ、どうして貴方は……私の前からいなくなってしまわれたのですか……私を置いて、どこに……? 再び貴方にお会いできる日は、来るのでしょうか……)