この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ランジェリー騎士団
第12章 ベルラの処刑
いつもの夢、いつもの想い。
ベルラが目覚めたのはまだ深夜であった。
この所、同じ夢ばかりを見る。
故郷を遠く離れて寂しいのだろうか?
いや、あの町……闘技場だけにしか思い出のない街。
両親を失い、師匠に拾われ、ただ剣を振るい死にものぐるいに生き延びただけの場所。
未練はない。もう、あの土地には誰もいない。
誰も。
追いかけたその背も。
(師匠……ああ、貴方は今どこに……)
ベルラは寝台に身を横たえたまま、慰めの位置にひっそりと手を伸ばす。
ちゅく……
「んっ……」
(ああ……師匠……師匠……私は……!)
嗚咽は噛み殺す。心の中の涙を追い払うため、肉体の外に流し出して哀しみを忘却するための作業に、ベルラはふけった。
※ ※ ※