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ランジェリー騎士団
第3章 羞恥の試着ショー
根拠はないが、長年兵士として積んだ研鑽による勘……あるいは、それよりも鋭い女の勘なのかもしれなかったが……それが、フェレリーに警戒を抱かせた。
だが、ことここに至っては、もう王に対してこの場で反意を伝えるのは好ましくない。今決めたばかりのことをくつがえすなど、君主としてあり得ないだろう。
(だから……絡め手でいくしかないわ)
フェレリーは顔を上げ、いまだに笑顔のままじっと座っているローザンナ姫に目をやった。
溺愛する娘の言う事ならば、父も嫌とはいえまい。
(姫様に直訴して……このような装いは護衛にふさわしくないと却下していただくのよ)
そう決意を固めた所に、再びフィガロが声をかけて来る。
「というわけで、フェレリー様、今晩、わたくしの宿にご足労願いたい。採寸をして、そのお身体にピッタリのものをお作りしますので」
「……」
ピッタリの、というその言葉を口にする目つきがどこかいやらしい。
チラリとその顔に一瞥をくれただけで黙殺し、フェレリーは心の中で答えた。
(誰が……行くもんですか!)