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ランジェリー騎士団
第3章 羞恥の試着ショー
先ほどの件とは何だろう? と、フェレリーは気になって耳をそばだてる。
「ローラルナでのウェルヘルムの商品の直営販売の件か、許すぞ」
「ありがとうございます。人気があることは良いのですが、そのため、紛い物も沢山で回ります。わたくしどもとしては、本物を市民の皆様にお届けしたいのです」
「こちらとしてもそれに異存はない。しかも、珍奇なるセリウム絹を使った高額な鎧の代金をそれで値引きして貰えるならこの上ない」
どうやら、フェレリーが着替えている間か、あるいは恥辱にまみれて我を失っている間にそのような取引の話が決まっていたらしい。フィガロという男、デザイナーとしてだけでなく、商人としても抜け目がないようだ。
だか、それだけに油断がならない。
フェレリーは直感的にそう思った。
この男は何か腹にいちもつを隠しているのではないか。この国に、愛すべき王と姫、そして幸福な国民に仇なす何事かをもたらすものではないのか……。