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ランジェリー騎士団
第5章 ランジェリーアーマーの秘密
謙遜するベルラに微笑んで、フェレリーが隊長としての第一声を、団員たちに発しようとしたとき、横槍を入れるようにして大きな声が上がった。
「なんだよぉ~、女、女、女、隊長まで女かよお……いい男が出てくんのかと思って期待してたのよお……」
部屋に並べられた机の一番前に並ぶ、赤毛の短髪の兵士だった。
事前にプリンセスガード隊のメンバーについてひと通りの情報を伝えられていたフェレリーだったが、そうでなくても彼女のことは知っていた。ヴィクトリア・ブラッドリー、港湾警備隊の名物女だ。
気性の激しい港の男たちを相手にする港湾警備の兵士たちは荒くれが多い。彼女はそんな中でもまったく遜色なく任務をこなす……それも当然、ヴィクトリア自身のほうが彼らよりも武骨偏屈なのだ。
今も、大声でわめくとどうじに椅子の背に体重を預け、そのままドカッと両足を机の上に投げ出して、礼儀も隊規もあったものではない。
だが、フェレリーは、そうでありながら彼女がその仕事ぶりにおいて仲間の男たちから一目置かれていたことを知っている。単に、思ったことがすぐに顔に出る、口に出る、そして手を出してしまうタイプというだけなのだ。