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ランジェリー騎士団
第5章 ランジェリーアーマーの秘密
「あらあら、プリンセスガードを何だと思っていらっしゃるのかしら? 男漁りがしたければ、貴女のいらした元の部隊に残っていたほうがよろしかったのではなくて?」
と、気取った口調ですかさず茶々を入れたのは、ヴィクトリアのすぐ後ろに腰かけていたミミ・ホリディナだった。貴族の子弟のみが入ることを許される士官学校出の生え抜きである。
「なんだとっ……!」
振り返ったヴィクトリアがついっと手をのばして小突きにかかる。
しかし、ミミは縦に巻いた髪房を優雅にふわりと揺らしてその拳をかわし、涼しい顔。
そのあまりの見事さに、ヴィクトリアも気勢をそがれてそれ以上のことはしようとしなかった。ぶつくさ言いながら正面に向き直る。
「馬~鹿、港の兵士どもなんかな、ゴツイだけのイモ猿ばかりだよ。俺はもっとこう……ツルッツルした美男子をだな……」
「あら、お猿にはお猿がお似合いじゃなくって?」
「だと、ごるぁっ!」
後頭部に投げかけられた挑発に、再び赤い髪がクルリと向きを変える。