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方違えた教師
第4章 三者面談当日
母と教室の前に置かれた椅子に座り順番を待つ。
案の定、昨日面談のことを確認したところ「急に言わないで、前もって言いなさい」と言われた。
(プリントが配布された日に言ったのに)
伝えようとした私を母が、「忙しいから後にして」と遮ったため「ここにプリントおいておくね」と伝えた。
どうせ見ていないんだろうけど。
母と二人静かな廊下、息が詰まる。
俯いてひたすら呼ばれるまでこの空気を耐える。
その時、目の前の教室の扉が開く。
先生に挨拶をしながら帰っていく親子。見るからに楽しそうな雰囲気にこれからの時間への憂鬱さは増す。
「中山さん、お待たせしました。お入りください」
声をかけてきた担任の藤野正樹先生を見る。
取り立てて特徴はないけれど、穏やかで嫌いではない。
この先生だったら無難に終わるかな、そんな気持ちで母の後ろについて教室に入る。
(15分の面談、そんなに時間を取っても話題なんてないんだろうな・・・)
「どうぞそちらにおかけ下さい」
教室の中に4つの机が2つずつ向かい合わせにセットされている。
「それでは改めまして、担任の藤野です。よろしくお願いいたします」
「中山智美の母です。よろしくお願いします」
そんな挨拶をしている二人の声を聴きながら、俯いてこの場をやり過ごすことだけを考える。
「それではまず学習面からお話しますね」
「うちの娘大丈夫なんでしょうか、兄と違って出来が悪くて・・・」
わかってる、いつものこと。テストのたびに、「お兄ちゃんは・・・」もう慣れた事だけど、ここで言わなくても。
そう思っても、私は黙っているしかできない。
先生の顔も、母の顔も見れずうつむくだけ。
案の定、昨日面談のことを確認したところ「急に言わないで、前もって言いなさい」と言われた。
(プリントが配布された日に言ったのに)
伝えようとした私を母が、「忙しいから後にして」と遮ったため「ここにプリントおいておくね」と伝えた。
どうせ見ていないんだろうけど。
母と二人静かな廊下、息が詰まる。
俯いてひたすら呼ばれるまでこの空気を耐える。
その時、目の前の教室の扉が開く。
先生に挨拶をしながら帰っていく親子。見るからに楽しそうな雰囲気にこれからの時間への憂鬱さは増す。
「中山さん、お待たせしました。お入りください」
声をかけてきた担任の藤野正樹先生を見る。
取り立てて特徴はないけれど、穏やかで嫌いではない。
この先生だったら無難に終わるかな、そんな気持ちで母の後ろについて教室に入る。
(15分の面談、そんなに時間を取っても話題なんてないんだろうな・・・)
「どうぞそちらにおかけ下さい」
教室の中に4つの机が2つずつ向かい合わせにセットされている。
「それでは改めまして、担任の藤野です。よろしくお願いいたします」
「中山智美の母です。よろしくお願いします」
そんな挨拶をしている二人の声を聴きながら、俯いてこの場をやり過ごすことだけを考える。
「それではまず学習面からお話しますね」
「うちの娘大丈夫なんでしょうか、兄と違って出来が悪くて・・・」
わかってる、いつものこと。テストのたびに、「お兄ちゃんは・・・」もう慣れた事だけど、ここで言わなくても。
そう思っても、私は黙っているしかできない。
先生の顔も、母の顔も見れずうつむくだけ。