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神さま、あと三日間だけ時間をください。
第1章 ♭眠れぬ夜♭

そんな風に悪い方へとばかり思考がいってしまった。当然、夫婦の営みもご無沙汰になってくる。どちらからも歩み寄れないままに日はいたずらに過ぎてゆき、形だけの仮面夫婦となってはや二年になろうとしていた。
美海は長い物想いから自分を解き放ち、もうこれで幾度めになるか判らない溜息をついた。小さくかぶりを振り、ドレッサーのいちばん上の引き出しを開ける。手のひらに乗るほどの小瓶の蓋を開けると、少しだけ掌(たなごころ)に垂らした。
〝男ごころを甘くくすぐる魅惑の香り、禁断の蜜の味〟。この香水は通販で買ったもので、カタログの商品説明にはそう記されていた。よくあるセックスのためのグッズがずらりと並んでいるページだ。
美海は長い物想いから自分を解き放ち、もうこれで幾度めになるか判らない溜息をついた。小さくかぶりを振り、ドレッサーのいちばん上の引き出しを開ける。手のひらに乗るほどの小瓶の蓋を開けると、少しだけ掌(たなごころ)に垂らした。
〝男ごころを甘くくすぐる魅惑の香り、禁断の蜜の味〟。この香水は通販で買ったもので、カタログの商品説明にはそう記されていた。よくあるセックスのためのグッズがずらりと並んでいるページだ。

