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神さま、あと三日間だけ時間をください。
第4章 ♭切ない別れ♭

結婚十一年目で、しかも妻の心が自分から離れ始めていると知って漸く気づくとは因果なものだ。
「本当に馬鹿だな」
琢郎は呟き、手にしたブランデーグラスを傾け、クイッとひと息に煽った。
サイドテーブルの写真には、小さな銀縁の写真立てが載っている。小さな枠の中では凛々しいタキシード姿の花婿と初々しいウェディングドレスの花嫁が寄り添い合っている。
二十八歳の美海はこれ以上はないというほど幸せそうに微笑み、琢郎も満足げな面持ちだ。ハワイで二人だけの挙式をあげたときの美海のお気に入りの写真だ。
親戚や親の手前、披露宴は国内の有名ホテルで行ったものの、挙式は美海の望み通りハワイの教会で挙げたのだ。
「本当に馬鹿だな」
琢郎は呟き、手にしたブランデーグラスを傾け、クイッとひと息に煽った。
サイドテーブルの写真には、小さな銀縁の写真立てが載っている。小さな枠の中では凛々しいタキシード姿の花婿と初々しいウェディングドレスの花嫁が寄り添い合っている。
二十八歳の美海はこれ以上はないというほど幸せそうに微笑み、琢郎も満足げな面持ちだ。ハワイで二人だけの挙式をあげたときの美海のお気に入りの写真だ。
親戚や親の手前、披露宴は国内の有名ホテルで行ったものの、挙式は美海の望み通りハワイの教会で挙げたのだ。

