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神さま、あと三日間だけ時間をください。
第1章 ♭眠れぬ夜♭
 美海は緩慢な足取りで寝室を横切り、廊下に出た。向かいのバスルームに入ると、シャワーの湯温を高めにして熱い湯を頭から浴びた。今夜の営みは確かに今までになく情熱的であったかもしれない。だが、互いにいたわり合う気持ちも優しさの欠片もなく、ただ獣のように荒々しく交わっただけにすぎなかった。
 琢郎は、あんな行為で満足できたのだろうか。美海はただ自分がレイプされたように、身体だけを烈しく奪われたような気がしてならない。
 涙がじんわりと滲んできて、美海は慌ててシャワーのノズルを顔に近づけた。熱い湯が今は涙を流してくれるのがありがたかった。
 もう、私たちは本当におしまいなのだろうか。
 今夜、何度も脳裏をよぎった哀しい予感が美海の心を凍らせた。
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