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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第12章 しのちゃんの受難(七)
玉置珈琲館の会計はもちろん私が持ったのだけれど、宗介は不満そうだった。財布を出しながら「払いたい」と何度も言っていた。誕生日なのだから、甘えておけばいいのに。
だから、「買い物袋お願い」と仕事を与えると、喜んで重い買い物袋を持ってくれる。
ありがたい。腕力も、扱いやすさも。
「今夜はうちで食べる?」
「いや、今夜は家で誕生日用のご馳走が準備されているから、帰るよ。本当は今夜も泊まりたいけど、明日の準備もあるし」
明日から実習ばかりだから、大変だろう。数学は国語とは違うから、指導の大変さはわからないけれど、教育実習の大変さはよくわかる。
「小夜」
冷蔵庫に買ったものをしまっていると、後ろから腰を抱き寄せられる。邪魔だよー宗介。
「小夜」
耳元で聞こえる甘い低音は「お誘い」の合図だ。それはわかっている。
さっきから、硬いものが当てられている。ぐりぐりとお尻に押し付けられて、びくりと体が反応する。
けど、さすがにキッチンではしたくない、かな。
「たぶん、これが最後。あと一週間はできないから……いい?」
断る理由はない。体力的にはしんどいけれど、宗介が望むなら、気持ち良くさせてあげたい。
袋の中身をぜんぶしまって、宗介のほうを振り向くと、既に上半身が裸の恋人の姿があった。
準備万端!? 早いな!
「……おいで」