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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第2章 【回想】里見くんの決意

「……あ、れ?」
「お姉ちゃん、行っちゃったねぇ」
「名前、聞いたか?」
「小夜ちゃん」
「小夜、さんかぁ」

 ありがとうございました、と言いたかったなぁ。
 志織の小さな手を取ろうとして、何かが握られていることに気づく。

「ん、なに、買ったんだ?」
「……キーホルダー」

 志織はもじもじしながら小さな袋を差し出してくる。顔は真っ赤だ。

「明日、お兄ちゃん、誕生日でしょ?」

 あぁ、だから、ショッピングモールに行きたいって言い出したのか。だから、俺に黙ってこっそり買いに行ったのか。

 志織は俺をちゃんと「家族」だと認識してくれていたんだな。誕生日を祝ってあげてもいいと、思えるくらいの距離にまで近づいていたんだな。

「ありがとう。開けてもいいのか?」

 志織が頷くので、チェックの包み紙の中からキーホルダーを取り出す。キーホルダーではなく、合皮製のキーケースだ。志織にしては渋いチョイス。しかも、高くはないが、安くもない品物だ。

「お小遣い、足りたのか?」
「小夜ちゃんが選んでくれたの。お金はお父さんから貰ってあるから大丈夫」

 予算から俺の欲しそうなものを選んでくれたということか。ありがたいことだ。

「家族になったから、新しい鍵につけられるものがいいねって、小夜ちゃんが」
「……ありがとう。志織。大切にするよ」
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