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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第2章 【回想】里見くんの決意
インフォメーションの人からハサミを借りて、タグを切る。そして、そのまま、ダサいキーホルダーにつけたままの真新しい鍵をキーケースにつけ直す。
「わ、カッコイイ!」
うん、格好いい。自慢したくなるくらい格好いい。俺の妹も、自慢したくなるくらい、かわいい。
「ありがとな、志織」
そのとき、恋に落ちたのだと思う。
新しい家族を繋ぐ「鍵」に関するプレゼントを選ぶセンスと、俺に叱られるのではないかと心配する志織の味方をする優しさと機転の良さ。
そして、あの怖い笑顔に――俺は恋をした。