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禁断背徳の鎖外伝・遅咲き桜-
第4章 誘い-胡桃の思い出



此処はやはり平日でも観光客が多い…
混む夕方から夜を避け、日中に来たというのに……


此処は函館山、日本3大夜景の1つに上げられるが、昼間見る函館の景色も捨てがたい…
まるで1枚の絵を見ているようで、幾ら見ていても飽きが来ないのだから。


ただ、山の上から街を見下ろしているだけなのに、何だろうこの不思議な感覚は?



(・・魅入られる‥が合っているのですかね?)


昼でも夜でも、人を魅了する函館の地形…
だからこそ、3大夜景と称されるのだろう。


実は、ロープウェイで頂上に登ってから1時間以上経っている…
それだけ長い時間、景気を見ていても飽きないのだから面白い。


流石に、展望場所から少し後ろに下がって見ているのだが、何処で見ていても人は通る。



「・・・・・」


私はただ、この気分的に落ち着く景色を見ていたいだけ…
頂上という事で、思ったより肌寒いが、耐えられない程でも無い。


このまま夜になるまで、こうして見ているのも良いかも知れない…
こういう時は、余計な思いは心の中に隠れてくれる‥今の私には丁度良い。




それにしても、観光客が良く来る…
そう思っていたら‥‥



「・・・あっ!?」


「・・おっと!?」


1人‥近道しようとしたのだろう、後ろから急に回って来て、私とぶつかりそうに……



「すみませんっ!」


「いえ…
私もボーっとしていたので……
大丈夫ですか?」


「はい‥なんとか…
本当にすみませんでした」


ペコリとお辞儀をして、足早に去って行く女性…
成人は超えているのだろうが、背は小さくて髪が長い。



「・・・・・」


去って行く姿を見ながら少々…
初めて会った時の、美紀様を少しだけ思い出しながら・・


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