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Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!

朱羽は複雑そうな顔をして言う。
「また、作ろう。今度はちゃんと」
いやいや、いたの。
あたしのお腹に、赤ちゃんは。
あたしは涙目でお腹を撫でる。
確かに、お腹の痛みは毎月慣れたものの気がする。
でも。
だけどね、いたのよ……。
赤ちゃんが。
あたしの可愛い赤ちゃんが。
「朱羽との可愛い赤ちゃんが、お腹にいたのに――」
そう叫びながら目を開けた。
目に映るのは――朱羽と暮らすマンションの寝室。
隣には、ランプの光に照らされて裸体をさらす朱羽がいた。
情事の名残を残した彼は、気怠げな色香を漂わせている。
……情事?
え?
「大丈夫、陽菜。大分うなされていたけれど」
「沖縄は? あれ、皆は?」
「沖縄? 行きたいの? 俺も行ったことがないから、今度一緒に行こうか」
その返答に、あたしから力が抜ける。
「え……夢なの?」
なにこの……連続KOを受けた気分は。

