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Oshizuki Building Side Story
第5章 Coloring in a moon

引き抜いたものを再び陽菜の熱く蕩けたナカに根元まで埋めると、その気持ちよさに、感嘆のため息が洩れる。
いつもそうだ。
何度もひとつになっているのに、彼女が与える快楽に慣れることはなく。
それはこの上ない至福の時で、永遠に続けと願いを込める。
少し動いただけで、俺を逃すまいと享楽に引きずり込もうとしているかのように締め付けられ、俺から余裕をこそぎ落とされる。
俺も陽菜の前ではただの男なのだと、思い知らされる。
「ああ、朱羽、おっきいよ……」
「それはあなたが……っ」
ああ、だけど。
そんなあなたが愛おしくてたまらない。
ドライに見えて甘えっ子のところ。
意地っ張りに見えて素直なところ。
どんなあなたも――。
「愛してる」
もっともっとあなたを見せて。
誰にも知らない、あなたすら知らない、あなたを知りたい。
「あたしも――」
だから陽菜。
あなたも俺を求めて。
俺すら知らない俺を、あなただけに見せるから。
俺の前では、ただの女でいて。
「朱羽を愛してる」
一方通行だった俺の想い。
だけど今は、彼女から返ってくるのが嬉しくて、涙が出そうになる。
どれだけその言葉を待ち望んで、今まで生きてきたのか――あなたはきっと、わかってはいないだろう。

