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Oshizuki Building Side Story
第5章 Coloring in a moon

「――っ、――っ!!」

 彼女のナカが締め付けてきて絶頂の震えを感じた俺は、水槽から離した手で彼女の後頭部を押さえながら、周りに見せつけるように情熱的なキスをする。

 陽菜は俺の手でイッたんだということを自慢したい気もしたいけれど、彼女の可愛い顔を他には見せたくなかったから。

 俺だけのもの。
 俺だけの可愛い陽菜。

 ……勿論、そのあとポカポカと胸を叩かれて、拗ねられてしまったけれど。

「あんなに濡れていたのに、気持ちよくなかった?」

 そう尋ねると、今度は顔を赤く染めて向こうを向いて一言。

「……気持ちよかった、けど」

 意地っ張りなあなたもいいけれど、素直なあなたも可愛いすぎて。
 押し倒したい衝動に駆られた俺は、彼女の手を引いて水族館を出て、家に戻る。

 何も無かった白い家は、今は陽菜の色に染まっている。
 そして俺達の思い出の品が、色々と飾られていく。


 脱ぎ捨てた服を床に散らせた寝室。
 大きなベッドがギシギシと軋む。

「駄目、激しっ、朱羽、朱羽……っ」

 俺の渇愛はとどまりを見せず。

 いくら抱いても抱き足りない。
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