この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Oshizuki Building Side Story
第6章 Flapping to the future!
 
「でもごめんは俺の方だ。あなたが不安になっていることを、あなたが言い出せないような状況であることに、俺は気づいてなかったんだから」
「違、それは……っ」
「あなたを理解していた気で、理解していなかったことが悔しい……っ!」

 あたしの愚かさも自己責任にしてしまう朱羽。
 そうだ、彼はストイックなまでに誠実に愛してくれていたのに。

 それなのに、あたしは――。
 
「きちんと話さないでいたことは本当に悪いと思っている。もうしないから、もう一度俺を信じて」

  泣きそうなその声に胸が絞られる。

「頼むから、俺の元に返ってきて欲しい。俺は、あなたのいない日々は考えられない」

 ようやくあたしは……、朱羽の背中におずおずと手を回した。

「俺には、あなたしかいらない」

 ……あたしもそうだ。

「疑ってごめんね、朱羽。ちゃんと2人で話し合うべきだった。2人で進んでいこうと誓ったのに。あたしの方こそごめんなさい」

 あたしは朱羽の背中に回した手に、ぎゅっと力を込めた。

「あたしも、朱羽だけしかいらない」

 朱羽の言葉が偽りに聞こえるほど、あたしは腐ってはいないつもりだ。

「朱羽が好き。別れたくない」
「本当に?」

 朱羽がじとりとあたしを見る。

「うん、本当」
「また、指輪してくれる?」
「勿論、させて下さい」

 ふわりと朱羽は笑う。
 誰もが魅了されるその美しい笑みで、彼はあたしに口づけた。

 パチパチパチ。

 唇が重なった途端に拍手がして、歓声と口笛と共に盛大な拍手の波が襲ってくる。
 その中には朱羽に似たバーテンもいた。

 あ……。
 ここ、街の中ということを忘れていた。
 そして――すべて、見られていた。
 
 見上げると朱羽も苦笑していた。
 そして目が合うと、あたし達は爆笑しながら皆に頭を下げて、手を繋いで……走ったのだった。

 ああ、バカップル。

 それでも、必死だったから、多めに見て欲しい。
/152ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ