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サキュバスちゃんの純情《長編》
第8章 兄弟の提携

 ベルトを外し、寛げられたズボンの中央に、硬く屹立した肉棒がある。それが欲しい。今すぐ欲しい。
 翔吾くんの指が割れ目をなぞり、潤いを確認する。そして、体重がかけられた一瞬の間のあと、一気に熱が埋め込まれた。

「っあぁ!」

 解されてもいない隘路に侵入されたというのに、痛みはない。それくらい濡れている。それくらい、求めている。

 狭く不自由な車内が、お互いの密度を増す。荒い息遣いが響き、汗が落ちる。車が揺れて、情事を隠すことができなくても、恥ずかしさより快楽を求めてしまう。

「あかり、好き」

 ショコラの甘さはもうだいぶ消えてしまったのに、翔吾くんの言葉は甘い。唇と舌を貪られながら、私は、彼の望む言葉を探す。
 好き? 愛してる?
 どんな言葉より、ただ抱き合って、深く繋がって、お互いの欲を貪り合いたい。

「触れたくて仕方なかった。手も繋ぎたかった。キスしたくて、抱きしめたくて……抱きたくて、仕方なかった」
「あ、しょーご、っん」
「あかりを一番汚したいのは、俺だよ」

 翔吾くんが奥を抉る。亀頭が愛しそうに子宮口に口づけをする。

「俺が一番、あかりを――っ」

 翔吾くんの体が大きく跳ねた。奥でじわりと広がる熱い液体に、体が歓喜する。待ちに待ったご馳走だ、と。

「俺が一番、俺の精液で、あかりを汚したいって、思ってる」
「……翔吾」
「好きだよ、あかり」

 何度も落とされるキスの合間に、翔吾くんは、苦しそうに微笑んだ。

「あかり、愛してる」

 甘美な言葉は、きっと、ショコラより甘く、ほろ苦い……。

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