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サキュバスちゃんの純情《長編》
第8章 兄弟の提携
「でも、絶対に『愛してる』だけは言わないで。嘘でも言わないで。健吾だけじゃなくて、セフレ全員ね」
それが翔吾くんの執着?
「あかりがそれを言っていいのは、彼氏と夫だけだよ」
「いいね?」と念を押され、私は頷く。翔吾くんは微笑んで、私の唇にそっと触れた。
「ありがと、あかり」
本当にこれでいいの?
疑問はたぶんずっとつきまとう。これは、私への呪いだ。解けることのない呪い。
「楽しかったね、軽井沢」
「……うん」
「鑑賞会、しようね」
……鑑、賞、会?
翔吾くんの色気に満ちた視線に、私はあの夜のことを思い出す。ビデオカメラは結局翔吾くんに回収されたようで見つけられなくて、消去もできなかったんだった。忘れてた!
「よく録れていたよ。あかり、かわいかった」
「――っ!!」
声にならない悲鳴の代わりに、私の下唇に触れている翔吾くんの指を、思い切り、噛んだ。翔吾くんは悲鳴をあげたけれど、自業自得だ。
録画するなら、もう絶っっ対、セックスなんてしないんだから!