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第11章 幸福な降伏

　声を我慢しなければならない状況下でのセックスは、その背徳感が一種のスパイスになって、気持ちいい。多少濡れていなくても、体は背徳感に煽られ、一気に高まってくる。

　シャワーが流れる音に、お尻と腰がぶつかる肉の音が混じる。我慢した喘ぎ声と、欲情を囁く声。すべてが官能的だ。

「きもち、い……っ、しょ、ご」
「俺も気持ちいい」

　既に膣内は十分すぎるほどの蜜でぬかるみ、翔吾くんの肉棒を離すまいと咥え込んでいる。
　精液が欲しいのか、快楽が欲しいのか――結局はどちらも欲しい、んだろう。

「あかり、そこ、片足置ける？」

　ベンチカウンターに右足を置くと、途端に角度が変わって翔吾くんのものが奥まで届く。

「あぁ……っ、ふかっ」
「ん、きもちい」

　一切遠慮することなく、翔吾くんは動く。腰を掴み、深く深く奥を穿つ。
　そのたび、体が揺れ、手すりを持っていられなくなるほどの、立っていられなくなるほどの快楽が押し寄せる。

「あかり、好きだよ……好き」
「あっ、ん、わたし、もっ」
「あ……出そう。どこに出してほしい？　お尻？　口？」
「やっ、なか……中が、いいっ」

　外に出さないで。中に出して。私の奥に、出して。

「しょーご、奥に、奥が、いいのっ」
「じゃあ、望み通り、奥にたくさん出してあげる」

　ひどく扇情的な言葉。それすら気持ちいい。酔いしれていたい。