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第1章 義父の目

「どうかしたか？」
「い、いえ。何でもないです。」

冷たい手だった。

夏なのに、冷たさを感じた。

「じゃ、私、先にお風呂入るわ。」

ママが、バスルームへと言って、キッチンには、私と義父が残ったものの、会話らしい会話はない。

「ご馳走さま。」
「あぁ。」

食べ終えた食器を一旦流しに浸け、私は、自分の部屋に入る。

トントントンッ…

コンコンッ…

ガチャッ…

「莉亜？明日、悪いけど…」
「はいはい。わかってるって！ゴミ、出しとくからいいよっ。ママは、今は、体調戻すことだけ考えてて。」

ママは、昔から身体が、弱くて、周りの反対を無視して、パパと結婚して、私を産んだ。本当のパパは、私が生まれる前に死んじゃったらしい。毎年、お墓参りには行ってる。