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《愛撫の先に…②》
第2章 菜々美は菜々美
『あの人の戯言?』
『バッグ等物欲の要求等俺は最初っから謝罪だと思っている、戯言です。
依頼人だからこそ寝てゴムのせいでつまらない代償も数年に及び高くついて…』
『…式場にいた事も?』
『もちろん謝罪と代償のつもりで参加したまでです、連れであるご主人様の都合が悪くなり優紀は俺を代わりにした…前にも話したと思いますが?菜々美』

『あたし…式場で見て…あなたはあの人のだと…』
『何故あの時声をかけない?』
『結婚してるもんだと…怖くて…』
もちろんあの当時菜々美はショックであったが結城を好きだという気持ちには気がついていなかったのである。
だが月日が経ちあの当時を振り返る今では、
人のものである彼に声をかけ既婚者だと裏付けされるショックを想像すると怖いと表現されるのだ。

『怖い…か、
俺に妻や子供の存在がいるとでも思っていたと?
だとしたら勤務先に現れても不思議ではない、
そんな存在等ないと疑いもせず?』
『勤務先には現れない約束なのかと…』
『俺は結婚していない、
これからはもうあの女の要求には応えなくていいはずだ』
『応えなくていいと…』

『あの女の言うヒモである必要はない、
最初から俺は謝罪だと思っている』

『謝罪………』

式場の話も出席ではなく結城さんは参加だと言ったわ、
それも謝罪なのよね…
結城さんなりの謝罪…
バッグは謝罪と代償…
それも今日で終わったのね?

『…良かった』

『ひとつひとつ要求を叶えこれであの人の気持ちが落ちつくならと男らしく誠意をみせていたつもりでも、
気持ちは届かずヒモにしか思われていなかったのは心外だけどそれも今日で終わり』

『…終わり?』

『菜々美がいて良かった、君が終わりにしてくれた、決め手は髪の毛か――』

『触った時に…』

『髪の毛か…俺の子供ではない確実な決め手――
菜々美ちゃん俺の髪の毛は柔らかいと表現しましたね?』
結城はその後で彼女の乳首をかすかに舐めた。
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