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《愛撫の先に…②》
第4章 あたしには予言は視えない!!
牧場物語と書かれた素朴な筆文字のロゴに箱を振るとカタカタと音がしたため安易に中身はプリンだと考えた。

プリンなんて嫌な思い出しかない、、、
大好きなプリンなのに翔子さんがお土産なんて送るからもう食べたくもない、、、

送り主は結城聡、結城さんの叔父。
あたし1度だけ会った事がある。
あれはもう何ヶ月も前に結城さんと荷物整理のお手伝いに行ったのが初対面だったわ。

「キスはしたのか?」
そう言って結城さんをニヤニヤしながら笑う顔はまるで高校生の男子のように若々しくて叔父と甥の仲良さがあたしにもわかったのを思い出すの。

黒髪で顔にかすかなしわがあるけど朗らかで気さくな感じで、緊張するあたしを励ますかのようにぼんぼんと肩をたたいてくれたわ。

キスと同じ体質だと言われ結城さんは顔を赤くして反論しようとするけど口をへの字口にしていたのがまるで中学生のようで、叔父さんは結城さんの体質を知っていたみたいな感じなの。

まるで予言する体質を知られてしまうのが恥ずかしいような感じだったのかしら?

「俺の嫁も」って、
そういう叔父さんの奥様とも予言で結婚したと言ってたわ。

だけど、だけど結城さんとあたしはギクシャクして上手くかみ合わない!

予言なんて当たるわけない!

奈々美は箱を握る手に力を入れ10秒の間の後ため息をついた。

疲れる、、、
翔子さんを想う結城さんを考えると疲れるの、、、
陽子、なぜ遥斗くんと上手くいってる秘密を教えて。

あたし次の恋を見つけなきゃいけない。

奈々美は箱を抱えてスイートタイムまで歩きだし何分後にはホテルの前で息をととのえていた。

そこには泊まるお客がキャリーバッグを転がし楽しそうに笑いながら入ってく日常があるが奈々美には緊張する瞬間になる。

出迎える結城啓輔の声が聞こえる。
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