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《愛撫の先に…②》
第8章 わだかまり…
『ところで泣いていたようだけど悪い夢でもみていたのですか?』
結城は奈々美をジッとみた。

『……気がついて…?』
彼女は自分の頬に指をあて涙で濡れているのかと確かめ恥ずかしくなる。

『将也との電話の後になる、鼻をすするかすかな気配とそれにより肩のあたりが振るえていた事、涙の跡…』
ベッドに左手をつく。

『…気がついて…』
顔が赤くなり震える。

声がでないよう我慢していたのに…

『怖い夢なら言ってしまう方がいい、紅茶でも飲んで気分転換するのもおすすめですが』
キッチンに行こうと立ち上がる。

『変わらないわ…変わらない』
彼女は拳をつくり言いきった。

『…何故?』
彼は立ち止まりまたベッドに座り彼女をみる。

『なんで翔子さんに代わるの?楽しそうに笑うの?』
彼女は彼をみれずにそっぽを向く。

『翔子に?親友の妻であり俺達はクラスメートだった、話すなと言うのか?君が翔子へのこだわりがあるのはこの間聞いて知っている…だけど今後話すなと言うのなら答えはノーだ、将也との関係が続く限り翔子と話さないなんてありえない』
彼は烏龍茶をまた飲み干した。
落ち着こうというのだろうか。

『……ふっ…くっ……』
奈々美はうつむいて拳をつくった手に涙がポタリと落ちる。

結城さんの言う事は理解出来るけど心が反発してる…
翔子さんの事は前に伝えてる、だからわかってくれていると……

『君はまた翔子にこだわるのかっ?』
彼の平然と落ち着いた顔は少しだけこわばっていて、大袈裟に髪をかきあげた。
多分イライラしていると思われる。

『あの人と喋る時親しげで笑っていて…それがとても…悔しい……』
流れる涙を拭おうともせずに彼女はまた気持ちを打ち明ける。

『…奈々美、恋愛の免疫が初めて?…つまり誰かれかれ構わず嫉妬し気持ち的に幼いままだというのですか?…少しは譲歩したまえ』
彼は気持ちを落ち着けようとあたりを歩きまわる。
恋愛を何度もしていればカレカノが少しくらい同僚と話そうが慌て騒がずという落ち着きが見いだせるという事を彼はいいたいのだ。

『片思いばかりで初めてつきあったのが高瀬さんで次が結城さん…恋愛の免疫とか譲歩とか言われてもあたしはまともに恋愛したの2度目なんだものっ…免疫なんて出来っこないっ…』
もはや泣きながら怒鳴る為に寝る前には顔を洗わなければならない程にみっともない。
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