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《愛撫の先に…②》
第9章 処方箋
『…そんな答えなんて…友達とか親友の奥さんとかで誤魔化さないでよ、スイートタイムのフロントだから笑うのはどうとか答えに詰まる質問をしないでっ、ムスッとして座っていられると泊まりたくなくなる……』
奈々美は言いながら矛盾している事に気がつき怒りの矛先は自分自身だと薄っすらわかったが頭では理解していても感情がついていかないのだ。

『住所と名前とあらかじめのクレジットでの清算をもう一度確認した後で穏やかな表情で鍵を渡すのと機嫌が悪くムスッとした表情で渡されるのとでは利用されるお客様も違うと思うのです、それに気がついてくれたなら君も一歩前に進めたのではないかな』
グラスを持ち台所に行き洗い側のタオルで手を拭きバスルームにいくのは歯をみがいているようだ。

結城の動作を目で追う奈々美は腑に落ちない、納得していない。

一歩前に進めた、なんてそんなの言いくるめられた感じでまるであたしを子供みたいに………
あたしが言いたいのは翔子さんや陽子の事なのに…

うつむく彼女の前に影が出来奈々美が見上げると彼が立って見おろしていた。

『23時30分言い争いよりも俺は眠りたいとこです、電気消しますよ』
リモコンで明るい照明も物が認識出来るくらいまでおとされ彼は彼女の隣に横になる。

奈々美は左に身体を向け結城に背を向ける形で身じろぎするのも緊張感がありなかなか寝付けなかった。

スイートタイムでの仕事には笑顔が必要でも、その笑顔を向けられた女の人達は勘違いするのを結城さん気がついていないのよ…

あなたがどんなに魅力的かわかっていないのよ…
だからあたしはしなくていいヤキモチを……
翔子さんはそんな結城さんを振り向かせ親しげな顔をさせるというのに…

陽子…
結城さんからこんな話を聞いたらあたしは親友でいられなくなる…

なんであたしは結城さんの横で寝てるのかしら?

彼女はベッドから起き上がり結城の方を向き考える。
端正な顔立ち・サラサラでフワフワな髪・アイドルのように華奢なのにいざという時には軽い身のこなしの結城啓輔という男性の隣で何の取り柄もない江崎奈々美が睡眠をとっているのかという疑問が彼女の中でグルグルと周り答えが出せなかった。

それは初めからの出会いでもうわかっている差になるのだが奈々美が結城に対して素直になれない差でもある。

うなだれていても答えなどでやしない事……。
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