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《愛撫の先に…②》
第15章 握る小さな手…
『嘘よ!予言をやめる前からずっと騒がれていたいい男とパッとしない普通の江崎がつり合う理由ないじゃない!高瀬そう思うでしょ?江崎の相手はごく普通のジジイでパッとしないのよ、きっとそう!結城啓輔は妊婦の江崎をただ移動させただけよ』
相沢は目玉を落ちつかなげに左右に動かし唇をわなわなとふるわせ両手を拳に握り2人をみて叫んだ。

『驚きはしたけど江崎もどうでもいいしこの男も初対面だしどうでもいい、それより映画っ』
高瀬はスマホを半袖のシャツのポケットにしまい映画館がある隣のビルがある方を気にした。
ヤシの実柄のシャツに黒いTシャツに安物のじゃらじゃらとした金のネックレスに青のジーパンにヤシの実柄のスニーカーの高瀬。
相沢とデート、あるいはただの飲み友だけなのか以前の奈々美ならショックを受け泣いていたところであろう。

『パッとしないジジイですみませんね』
結城は振り向き相沢の言葉にそう返し上をみて奈々美に笑みを向けた。

『例えばの話よ、パッとしない江崎なら相手はジジイに決まってるでしょ!キーッ…相手は誰かと聞いてもだから江崎黙ってたのねっ、悔しい〜!』
相沢は大股で両足でダンダンと床を踏みならした。


騒ぎのあったトイレに続く通路から1分の所のベビー服の店に着く前までに奈々美と結城は周りからジロジロ観られていた。
奈々美は後ろを振り向くと相沢と高瀬が喧嘩している風で相沢はずっと奈々美らを観ていたのだ。

『啓輔さん観られてる、あたし達…』
うなじにおいた手が動揺しふるえる。

『観られるのは昔から慣れていますよ、観させておきなさい…さぁ君の欲しい服を選びたまえ』
そう言いながら彼は彼女をゆっくり床におろしてやる。

スマホでみていた青色はなかったものの白と淡い水色があり他にそれに合う靴下、肌着もかごに入れ初夏祭りセールのそれら3つを揃いで2つずつと冬物の残りの値引き品3つを選んだ奈々美。

黒の6枚入カードケースからゴールドを取り出し払っている結城、もちろん一括払い。

不意に奈々美は課長のおつかいでバウンドケーキを買った時の事を思い出したのはカード払い・そしてユウキケイスケだったから。

買い物を終え渡された大きな店の袋を持った結城が奈々美の手を取り歩き出す。

『…ふっ…ふふ…あの時のあたしに教えてあげたい…』
奈々美は目に涙を溜めていた。

もうすぐ家族になるの…
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