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《愛撫の先に…②》
第15章 握る小さな手…
小さな小さな布団に寝かされ時々泣きながら布団の中で手足を動かしている。

ベッドの側の名前には結城奈々美と書かれた細長い紙、
それも後1時間程でこの病室を後にし退院するので見納めだ。

『ここに来て1週間なんだね…結城奈々美かぁ』
彼女はその紙がはせてあるプレートをなぞる。

『嫌なんですか?』
昨日までのラフな服装の結城が今朝はスーツに着替えわざと拗ねた表情。

『嫌なわけない…幸せ…』
奈々美は笑い赤ちゃん用白い綿のレースのおくるみをカバンから取り出した。


またたく間に1時間が経ち赤ちゃんを抱いたワンピースの奈々美は結城と共に院内の待ち合い室に向かうと、そこにはマタニティを着たお腹がやや出てきた陽子と白シャツにジーパンの遥斗が手を振って退院を出迎えていた。

『ふぇ…ふ…』
一瞬赤ちゃんが泣きそうになりながらも寝ているのをあやす奈々美と結城は2人に嬉しそうに笑みを向ける。

『小さ〜…奈々美の身体にこの子がいたなんて…あたしのとこは女の子だって…昨日言われたの』
陽子は照れくさそうに遥斗をみて、つられて遥斗が照れる。

『初産で時間かかりましたが奈々美はよく頑張って産んでくれました、この子を』
結城は奈々美と息子、そして次は陽子さんの番だと言うように陽子と遥斗をみた。

『えへへ』
奈々美は結城をみつめた。

4人は仲良く産婦人科を後にした。
いつの間にか奈々美の小指にはお母さんの手を確かめるように小さな指先が時折ギュッと離さないでいた。

✜ ✜ ✜

片思いしかしてこなかった奈々美に結城、高瀬、そして様々な男達からの強姦を経て結城との間に出来た小さな命。

処女であれ感じた予言での奈々美。
強姦シーンで紆余曲折、望まない行為はいつも犠牲になるのは女の方。
望まない出来たかもしれないとの絶望。

コンドームなしでいいと望んだ結城とのセックス。
相手に触れられキスをされ、お返しとばかりに愛おしいと肌を撫でついばむようにキスを返す。
想い想われながらも結城のペニスの上下の動きに窓に手をあて喘ぐ奈々美。
あの日の行為が形となって今彼女の腕の中で眠る。

愛撫の先に。
それは相手を想い想われながらの行為、誰にも邪魔されない2人の時間。

奈々美がまたマタニティ姿になるのもまた愛撫の先のひとときがくれる事になるだろう。

結城啓輔・奈々美

♀♂ おわり ♂♀


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