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君を好きにならない
第6章 アイツ
こんなにアイツのことを
思い出したのは
久しぶりだな…
どれくらい時間が経っただろう
俺が
ベットで天井を見つめたまま
昔のことを思い出してると
コンコン…
真琴が
ドアをノックし
俺の名前を呼んだ
「向井さん」
そういえば
アイツは
俺の事を司って呼び捨てで
ノックもしたことがなかったな…
「ん?なんだ?
入っていいぞ」
ガチャ…
ふと
時計を見ると
もう夕方
真琴は
俺が寝てると思ったのか
そっとドアを開けて
顔をのぞかせた
「なんだ?」
「細かい修正はこれからなんだけど
だいたい仕上がったから
チェックしてもらいたくて…」
「あーわかった。
仕事が早いじゃねーか」
「あーまぁ…
ケーキ食べたいんで(笑)」
笑って
八重歯を見せる真琴の
目尻を下げる様子は
少し
アイツに似ている
「子供みてーだな
いや…女みてーか」
「ひどいなー
子供だとか
言わないでくださいよー」
クスッ(笑)
子供みたいにスネるところは
アイツとは
全く似てねー
やっぱ
真琴は
真琴だ
「わかったわかった
じゃ真琴大先生のチェックするか」
俺はベットから起き上がり
ドアのところで
まだ少しスネたまま立ってる
真琴の頭をクシャっとやった
「エロいの書けたか?」
「あ、た、多分」